過渡現象

過渡現象

回路が安定して動作しているときに、電源、接続、素子値などに急変が生ずると、回路の状態(回路の各部分を流れる電流や素子に加わる電圧の分布)は前の状態とは異なった新しい分布となる。この新しい安定な状態に移るとき、回路内部にエネルギー蓄積素子(インダクタンスやコンデンサ)が含まれる場合は、安定した状態とはかなり異なった現象が観測され、この変化の様子を過渡現象という。
電気回路の電圧と電流の関係を表す微分方程式は、キルヒホッフの法則によって求められるが、ある電流についてまとめると、

{andn/dtn+an-1dn-1/dtn-1+・・・+a1d/dt+a0}i(t)=e(t)

この電流は、同次方程式

{andn/dtn+an-1dn-1/dtn-1+・・・+a1d/dt+a0}i(t)=0

の解it(t)と非同次方程式の解is(t)の和として求められる。非同次方程式の解は励振に関係したもので、平衡状態における強制解であり、いわゆる交流理論で求める電流である。同次方程式の解は、回路によって決まるものであって、他の安定状態に移り変わる過渡的な現象を表している。この解は一般的に次式で与えられる。

it(t)=c1ε-λ1t+ c2ε-λ2t+ c3ε-λ3t+・・・+ cnε-λnt

ここで、係数c1,c2は初期条件によって求められる。

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