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代表取締役社長 石黒武

2025年3月期 第1四半期の経営成績

当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、個人消費の持ち直しに足踏みが見られるものの、雇用・所得環境が改善する中で引き続き緩やかな回復が続くことが期待されます。一方で世界経済は、米欧の金融引き締め政策の継続や物価上昇、中国の不動産市場の停滞、また、ウクライナ情勢や中東情勢など様々な下振れリスクを内包しております。

このような状況の中、主要需要先である自動車関連の特殊鋼の受注は、中国などにおける販売不振による自動車の生産減少の影響により前年同期比で減少しました。産業機械関連の特殊鋼受注は、回復に一部足踏みの動きも見られますが、ステンレス鋼の受注に関しては前年同期比で増加しています。半導体関連需要は、持ち直しの動きもみられるものの、回復局面のタイミングは下期以降と考えており、その動向を引き続き注視してまいります。なお、自由鍛造品については、航空機産業やエネルギー産業での需要が増加していることにより、受注が大幅に拡大しました。

主要原材料である鉄屑価格は、価格水準としては高位で推移しました。一方で、ニッケル価格は、一時的に供給懸念により上昇しましたが、その後、弱含んで推移しました。原油・LNG市況は引き続き高値で推移したことにより、電力などのエネルギーコストが高位で推移しました。全般的に原燃料価格は高止まりを続けており、徹底したコスト削減および販売価格への反映に継続して取り組み、適正マージン確保に努めております。なお、当第1四半期連結累計期間において、清算手続き中の中国磁石子会社で発生した20億16百万円の追加費用を営業利益に含めて計上しております。

この結果、当第1四半期連結累計期間の連結経営成績は、売上収益は前年同期比2億7百万円増収の1,420億94百万円、営業利益は前年同期比13億28百万円増益の100億67百万円、税引前四半期利益は前年同期比14億76百万円増益の114億25百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は前年同期比2億48百万円増益の67億76百万円となりました。