けい素鉄・快削けい素鉄

特長

優れた電磁気特性を持つけい素鉄、切削加工の容易な快削けい素鉄

純鉄にけい素を添加した1%けい素鉄は、さらに優れた電磁気特性を持ちますので高性能の継電器鉄心などとして使われています。1%けい素鉄は使用中の磁気特性の変化(経年変化)がなく、電磁純鉄に比べ電気抵抗が大きいなどの特徴があります。

大同特殊鋼では快削純鉄に続いて切削加工の容易な快削けい素鉄を開発しました。快削けい素鉄は1%、2%および3%けい素のものがあり、当社独特の磁性材料で好評を博しています。

化学成分

(%)
種類 記号 C Si Mn P S Pb
1%けい素鉄 MES1 ≦0.020 1.0 ≦0.35 ≦0.020 ≦0.020  
快削1%けい素鉄 MES1F ≦0.02 1.0 ≦0.35 ≦0.020 ≦0.020 0.05~0.25
快削2%けい素鉄 MES2F ≦0.02 2.0 ≦0.35 ≦0.020 ≦0.020 0.05~0.25
快削3%けい素鉄 MES3F ≦0.02 3.0 ≦0.35 ≦0.020 ≦0.020 0.05~0.25

電磁気特性

記号 磁束密度
B(T)
保磁力
Hc(A/m)
体積抵抗率
ρ(μΩ・m)
磁界の強さ
H(A/m)
80 160 240 400 2000
MES1F ≧0.85 ≧1.20 ≧1.35 ≧1.40 ≧1.50 ≦63 0.23~0.28
MES2F ≧0.80 ≧1.15 ≧1.20 ≧1.35 ≧1.45 ≦56 0.34~0.39
MES3F   ≧1.30 ≧1.32 ≧1.35 ≧1.40 ≦48 0.45~0.50

磁気特性は加工後適当な磁性焼なまし(850℃×4h、箱又は真空焼鈍)を施した試験片によるものです。

被削性

けい素量による被削性の変化(工具寿命60分に対する切削速度)
Hcの経年劣化

用途例

その他の軟磁性材料

軟磁性材料に関するお問い合わせ

TEL:052-308-3948