炉体を大型ベアリングで支持し、油圧モータで旋回させる
三相交流アーク炉は各相のインピーダンスが不平衡で投入電力のアンバランスが発生し、更に電極が三角形に配置されているのに対して炉殻が円筒状形状のため、電極との距離が一定ではない状態があり、このことからスクラップが溶けやすい場所(ホットスポット)、溶けにくい場所(コールドスポット)が発生することが、効率的な操業を難しくしていました。
長年の電気炉ユーザーの悩みを解決すべく開発された炉体旋回式電気炉「STARQ」は、炉体を旋回させることで、物理的にホットスポットとコールドスポットを入れ替えることができ、結果として熱ロスの低減、通電時間短縮、電力原単位の低減、耐火物原単位の低減を実現します。
STARQは大同特殊鋼株式会社の商標または登録商標です。
用途
スクラップの均一溶解
特長
電気炉の炉体旋回により、炉内のホットスポットとコールドスポットの不均一を解消
旋回パターンの最適化による通電時間の短縮
- 省エネルギーが図れる
- CO2排出量削減に貢献
効果
当社知多工場で2013年11月に稼働を開始したSTARQ(150トンアーク炉)では、炉体旋回を用いたスクラップ均一溶解技術を徹底研究し、
従来炉比(80トンアーク炉)、溶解から鋳造までのプロセス一貫で15%のエネルギー原単位改善を達成しています。
構造
従来炉スクラップ溶解条件
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- 炉体ローテーションでホットスポットとコールドスポットを変更・・・不均一溶解の解消
- 炉体を旋回させることで均一溶解が可能となり、エネルギーロスが低減・・・エネルギー使用量の削減
→ 炉体旋回式電気炉STARQは、交流アーク炉(AC)による不均一溶解を解消
電気炉の炉体旋回によりコールドスポットを電極に近づけ、ホットスポットとコールドスポットの不均一溶解を抜本的に解消し、溶解エネルギーロスを減らし、効率よく溶解します。
建設コストがかかるスクラップ予熱装置の代わりに、従来電気炉に炉体旋回機構を追加するだけで電気炉に発生するホットスポットおよびコールドスポットによる熱損失を解消します。
外観
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