特長

  • ガスアトマイズ製法により、球状で充填密度が高く、酸素量を少なく抑えることが可能
  • HIP(熱間等圧成形法)との組み合わせにより、従来熱間加工できなかった材料や、溶製法では、製造困難な材料についても均一微細組織のものを製造することが可能
  • 広くプラスチック金型に用いられるSUS420J2系を3Dプリンタ用に改良した粉末です。
  • 特別な処理をすることなく120℃の予熱で、大型品の造形が可能です。
  • SUS420J2系金型材料と同等の焼入れ焼戻し性能で、53HRCを得ることができます。
  • 耐食性はSUS420J2系金型材料と同等です。
  • 造形欠陥に起因したピンホール発生が不可避なため高鏡面用途の使用は注意が必要です。

AMDAP™シリーズはSLM方式およびLMD方式の3Dプリンタに適した優れた流動性を有する金属粉末です。
規格鋼成分だけではなく、用途に適したオリジナル成分の商品もラインナップされています。

SLM・LMDなど各種金属3Dプリンタに適した積層造形用粉末をご提供できます。

主な用途

  • プラスチック金型
  • 耐食性、耐摩耗性が必要なプラスチック金型

代表成分

  相当鋼種 C Si Mn Ni Cr Cu Mo V
LTX™420 JIS-SUS420J2改 0.27 1.5 13 0.1

粒径:-53/+25μm
AMDAP, HTC, LTXは大同特殊鋼の商標または登録商標です。

技術データ/試験結果

金型製造の流れ

図1. LTX™420による金型製造の流れ

熱処理特性

700℃,2回焼きなましでSUS420J2系鋼材納入状態の硬度が得られます。

図2. 造形後の焼きなまし温度と硬さの関係

焼入れ焼戻し特性はSUS420J2系鋼材と同等です。

図3. 焼戻し性能曲線

機械的性質

鋼材に比べて耐力が低くなる傾向にあります。

図4. 引張特性の比較

衝撃値は同等以上です。

図5. 衝撃値の比較

耐食性

SUS420J2系鋼材と同等の耐食性を有します。

図6. 湿潤試験による耐食性比較
(温度:50℃,湿度:90%,保持時間:48h)

熱伝導率

熱伝導率はSUS420J2系鋼材と同等です。

図7. 低温焼戻し材の熱伝導率比較

造形例

図8. 模擬型造形例(ベースプレート温度120℃)