大同特殊鋼株式会社(社長:清水 哲也)は、今後の需要拡大が見込まれる半導体製造装置や航空エンジンなどに使われるクリーンステンレス※1やニッケル基合金※2等の高級鋼を増産するため、特殊溶解設備である真空アーク再溶解炉(VAR)※3の知多第2工場(愛知県知多市)への増設を進めています。この度1 基目の設置が完了し、2024年12月19日に稼働を開始しました。2基目も計画どおり2025年3月までの稼働開始を予定しており、2基の増設による高級鋼の生産能力増は足元比20%を見込んでいます。
さらに、2027年3月までに高級鋼用のVAR2 基とチタン用VAR2 基の知多第2 工場への追加を予定しており、当社は今後も成長市場製品の需要捕捉に向けた積極投資を進めていきます。
VARを施した鋼は、内部の清浄度や均質性が高められるため、特性の厳格な管理が可能です。そのため、航空エンジンや半導体製造装置といった品質要求が厳しい部材に適用可能です。産業の高度化に貢献する素材であり、今後ますます需要が高まることが予想されます。
当社は、素材の技術革新がイノベーションを誘発する産業分野で必要とされる素材を、その生産に最適な体制を構築しながら提供し続けることで、社会への貢献と当社事業の成長をめざしていきます。
用語説明
※1クリーンステンレス | SUS316の化学成分規格内でありながら、真空誘導溶解と真空アーク再溶解を施すことで超清浄度化を実現、清浄性が求められる半導体製造装置や医療関連設備などに主に使用される。 |
※2ニッケル基合金 | ニッケルを主成分とする合金で、優れた耐熱性、耐食性を有する合金。主に石油、化学、ジェットエンジンや発電用タービンなどの分野で使用される。 |
※3真空アーク再溶解炉(VAR) | 一次溶解(電気炉・真空誘導炉)で溶解・造塊した鋼塊を消耗電極として通電、高真空下でアーク発熱により溶融、鋼中のガス成分を低減しながら消耗電極内の介在物を浮上促進させ除去。さらに急速冷却により均質な組織を得る溶解設備。 |
参考
- 2023年3月20日プレスリリース 知多第2工場に特殊溶解設備を2基新設
https://www.daido.co.jp/about/release/2023/230320_chita.html - 2026 中期経営計画
https://www.daido.co.jp/common/pdf/pages/ir/library/presentation/240606_plan.pdf
以上