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渋川工場に増設した特殊溶解炉が稼働開始
~高級鋼供給能力を増強~

大同特殊鋼株式会社(社長:清水哲也)は、今後需要が高まることが予想されるニッケル基合金*1やクリーンステンレス*2などの高級鋼の増産に備えて、これらの製造に不可欠な真空アーク再溶解炉(VAR)*31基を投資額7.5億円で渋川工場(群馬県渋川市)に増設し、9月から稼働を開始しました。

当社は高級鋼の生産能力拡大を目的に、2016年に世界最大級の25トン真空誘導炉(VIM) *41基を、2019年にVAR 2基を渋川工場に増設しており、今回の投資もこれらに引き続くものです。

当社は今後も、カーボンニュートラル社会やデジタルトランスフォーメーションの実現に必要な素材需要に応えていくことで、社会への貢献と当社事業の安定化を図っていきます。

図:新設したVAR(左端)
図:新設したVAR(左端)

用語説明

※1 ニッケル基合金
ニッケルを主成分とする合金で、優れた耐熱性、耐食性を有する合金で、石油、化学、航空エンジンや発電用タービンなどの分野で主に使用される。

※2 クリーンステンレス
SUS316の化学成分規格内でありながら、真空誘導溶解と真空アーク再溶解を施すことで超清浄度化を実現、清浄性が求められる半導体製造装置や医療関連設備などに主に使用される。

※3 真空アーク再溶解炉(VAR)
一次溶解(電気炉・真空誘導炉)で溶解・造塊した鋼塊を消耗電極として通電、高真空下でアーク発熱により溶融、鋼中のガス成分を低減しながら消耗電極内の介在物を浮上促進させ除去。さらに急速冷却により均質な組織を得る溶解設備。

※4 真空誘導炉(VIM)
誘導加熱を利用した電気炉で、ニッケル基合金をはじめとする高純度金属や高級合金の溶製に用いられる溶解設備。上述の25トンは1回の溶解量を指し、設備の大きさの規模を表す。

<参考>
渋川工場に特殊溶解設備を増設 ~航空エンジンや半導体関連等、高級鋼の増産に対応~ (2022年 6月 22日)

以上