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大同特殊鋼顧問 佐川眞人が
「2023年 第44回本田賞」を ジョン・J・クロート博士と受賞

大同特殊鋼株式会社の顧問である佐川眞人は、公益財団法人 本田財団(設立者:本田宗一郎・弁二郎兄弟、理事長:石田寛人)が主催する「本田賞」を、アメリカのジョン・J・クロート博士(John Croat Consulting,Inc., President)と受賞することが決定しました。
両博士は、社会の IT 化の進展を支え、モーターの効率向上による CO2排出量削減に貢献する世界最強の永久磁石「ネオジム磁石」を、それぞれ独立した研究によって同時期に発明し、異なる製造方法を確立させました。この功績が、本田財団に「新発見や新発明といった狭義の意味での科学的・技術的成果に留まらず、直面している問題に対して解決策を見出し、応用し、共用していくまでの全過程を視野に世界中の人々の生活にまで寄与する業績がある」と認められました。ネオジム磁石は高出力・高効率が求められる電気自動車や風力発電機などのモーター、小型・軽量で強力な磁石が必要とされるロボットや自動化システム、家電などさまざまな分野において製品の高性能化に貢献しています。
本田賞は、エコテクノロジー*の観点から、次世代の牽引役を果たしうる新たな知見をもたらした個人またはグループの努力を評価し、毎年1件その業績を讃える国際褒賞です。なお、贈呈式は2023年11月16日に東京都の帝国ホテルで開催され、メダル・賞状とともに副賞として総額 1,000 万円が両博士に贈られます。

*エコテクノロジー(Ecotechnology)
文明全体をも含む自然界をイメージした Ecology(生態学)と Technology(科学技術)を組み合わせた造語。
人と技術の共存を意味し、人類社会に求められる新たな技術概念として 1979 年に本田財団が提唱

受賞者のコメント

本田賞を受賞できたことを大変うれしく、光栄に思います。私とクロート氏のネオジム-鉄-ボロン磁石に関する研究が、エコテクノロジーの観点から高く評価されたということで、2 人で歓びを分かちあいたいと思います。
私は、希土類磁石としてサマリウム-コバルト磁石が大きく発展していた1970 年代に、その次の世代には希土類-鉄磁石が必要になると確信していました。そして、サマリウム-コバルト磁石の研究に一生懸命取り組みながら、まだ世の中になかった希土類-鉄磁石の研究に粘り強く挑み続け、ネオジム-鉄-ボロン磁石を発明しました。若い研究者のみなさんには、10 年後に何が必要になるかを想像して、それを実現するアイデアを練り、研究に取り組んでいただきたいです。そして、企業や大学の研究機関には、そのような研究を認めてサポートしていくことを期待しています。
佐川眞人
  氏名   佐川 眞人(さがわ まさと)
生年月日 1943年8月3日(80 歳)

以 上

[参考]本田財団プレスリリース