大同特殊鋼株式会社(社長:清水 哲也)は、耐水素材料の研究開発を促進するため、約6億円を投じて、公益財団法人水素エネルギー製品研究試験センター[
近年、カーボンニュートラルの実現に向けて、自動車や発電等のさまざまな分野で水素エネルギー利用に関する技術開発が進められています。水素はしばしば金属材料の特性を劣化させてしまうため、水素雰囲気に曝露される部品には水素に強い耐水素材料が必要となります。そして、耐水素材料には水素利用機器の普及拡大に向けて、コスト低減や強度等の特性向上が求められています。耐水素材料を研究開発し部品に適用するには、高圧水素ガス雰囲気において、材料の各種機械特性を評価する必要があります。当社では、耐水素材料の研究開発を加速すべく、材料評価を自社で管理しながら実施するため、高圧水素ガス雰囲気材料試験機を導入しました。
当社は今回設置した試験機を活用することで、耐水素材料の特性向上やコスト低減につながる材料開発を推進し、水素社会構築に貢献していきます。
試験機の概要
- 高圧水素ガス雰囲気材料試験機(外圧式) …図1
高圧水素ガスを封入した耐圧容器の中で、引張特性や疲労特性などの部品設計で要求される材料評価を行います。 - 高圧水素ガス雰囲気材料試験機(内圧式) …図2
丸棒試験片の軸中心部に細穴加工を施し、試験片内部を高圧水素ガスに曝しながら引張試験、疲労試験を行います。外圧式試験機と比較して、使用するガスを極少量に節約できる(数万分の1)、疲労試験の時間を短縮することができる(最大20分の1)といった特徴があります。 - 曝露試験装置…図3
サンプルを高圧水素ガス中に曝露することで材料への水素の侵入速度や侵入量の調査等を行います。
図1 高圧水素ガス雰囲気 材料試験機(外圧式)
図2 高圧水素ガス雰囲気 材料試験機(内圧式)
図3 曝露試験装置
以 上