本開発品は、2022年12月7日から9日まで幕張メッセで開催される高機能金属展「第9回メタルジャパン」において初出展します。
1.想定用途
ECU(電子制御ユニット)、5G通信、ミリ波レーダーなどの射出成形樹脂筐体
2.従来の対策と課題
5G通信やミリ波レーダーに代表されるギガヘルツ周波数帯製品は、外来ノイズやカップリングノイズ、反射により電波干渉が生じ、通信速度や精度の低下、誤作動が生じることが知られています。従来、アルミ等の金属筐体や電磁波吸収シートをシステム内に追加で配置することで電磁波の対策をするのが一般的でしたが、部品点数の増加により基板の組立工数・コストや重量が増加したり、基板レイアウトの制約を受ける等の課題がありました。
表1 従来の対策における課題
電磁波対策なし | 従来の電磁波対策における課題(一例) |
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外来ノイズやマイクロストリップライン※1を飛び越えるカップリングノイズによる誤作動が発生
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【対策】シールドケースにより外来ノイズを遮蔽するとともに、カップリングノイズを電磁波吸収体により吸収・無害化
【課題】部品点数が増えることにより、組立工数やコストが増加 |
3.新規開発品の特性
このたび開発したのは、電磁波吸収体用途の射出成形ペレットです。東洋紡が強みとする射出成形用樹脂製品を幅広く開発できる高度な技術と、大同特殊鋼が新規開発した電磁波吸収フィラー※2を組み合わせることにより、従来、ミリ波レーダー帯で使用されている一般的な電磁波吸収シートと比較し、ノイズの発生源付近の領域(近傍界)において優れた電磁波吸収性能を実現しました。また、射出成形品の厚みや電磁波吸収フィラーの含有率を変えることで、お客さまのニーズに合わせた最大吸収能力を発現する周波数の調整が可能です。
4.従来課題の解決提案
一般的な射出成形樹脂と同様に樹脂や金属部品のインサート成形や二色成形が可能です。これまで個々に組み上げる必要があった電磁波吸収シートや筐体を一体化することができるので、成形品の軽量化や組立作業の簡素化に貢献が期待できます。
図3 開発品を活用したソリューション提案
5.本開発品の出展情報
展 示 会 名 :
第9回 メタルジャパン(高機能金属展)
会 期 :
2022年12月7日(水)~9日(金) 10:00~18:00 ※最終日のみ17:00終了
会 場 :
幕張メッセ展示ホール3
ブ ー ス :
No.25-35大同特殊鋼ブース内にて
※2: フィラーとは、樹脂に機能を付与するために添加される充填材のこと。
以 上