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脱炭素社会の構築に向けて「チャレンジ・ゼロ」に参加
〜炉体旋回式電気炉の 実装・普及による省エネルギー化〜

大同特殊鋼株式会社(社長:石黒 武)は、このたび一般社団法人日本経済団体連合会(以下「経団連」)が策定した「チャレンジ・ゼロ(チャレンジ ネット・ゼロカーボン イノベーション)」に参加しました。

「チャレンジ・ゼロ」は、経団連が日本政府と連携し、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」が長期的なゴールと位置付ける「脱炭素社会」の実現に向け、企業・団体がチャレンジするイノベーションのアクションを国内外に発信し、後押ししていくことを目的としたプロジェクトです。

当社は、鉄スクラップから鋼を製造する電気炉製鋼業を営んでいます。鉄スクラップを溶解する電気炉は、炉の上部から吊り下げた電極と鉄スクラップの間で発生させた大電流のアーク放電により、鉄スクラップへ溶解エネルギーを供給していますが、電極から距離の離れた位置(以下、コールドスポット)の鉄スクラップには十分な熱が届かず、炉内で不均一な溶融状態が発生します。コールドスポット付近に補助バーナーを設置する従来の対策における、化石燃料の大量消費、低い着熱効率などの欠点を克服するため、炉体を旋回する方式を導入したことによりコールドスポットを解消し、電力原単位の4.9%低減を実現しました。

当社では、この技術を導入した炉体旋回式電気炉(商品名 STARQ®)第1号機を2013年に知多工場(愛知県東海市)に導入済です。今後は当社の電気炉更新時期に合わせてSTARQ®を導入し、一層のCO2排出削減にチャレンジすることに加え、当社は工業炉を製品として販売する事業も行っていることから、新設・改造を問わず国内外の製鋼事業者にSTARQ®の普及・拡販を推し進めることにより、鉄鋼業界全体のCO2排出削減にチャレンジしてまいります。

また、当社は2020年11月に2030年、2050年に向けた中長期戦略的CO2削減目標と行動計画の策定を目的に「CO2削減プロジェクト」を新設しました。「継続的省エネ技術開発」、「再生可能エネルギーの積極活用」、「CO2フリー水素の有効活用」に取り組み、全社を挙げて積極的にCO2排出削減にチャレンジしてまいります。

STARQ®は大同特殊鋼株式会社の登録商標です。

以上