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大同特殊鋼株式会社 佐川眞人顧問が「NIMS Award 2018」を受賞しました

大同特殊鋼株式会社(社長:石黒 武)の佐川眞人顧問が、国立研究開発法人 物質・材料研究機構(理事長:橋本和仁(以下、NIMS))主催の「NIMS Award 2018」を受賞することが決定いたしました。
「NIMS Award」は、NIMSが2007年より物質・材料に関わる科学技術において、優れた業績を残した研究者に贈呈する国際賞で、佐川眞人顧問の「ネオジム磁石の発明と実用化」に関する研究が世界的に傑出した業績として高く評価され、今回の受賞となりました。
「NIMS Award 2018」の授賞式および受賞記念講演は、10月15日(月)から19日(金)に開催される「NIMS WEEK 2018」の初日に、東京国際フォーラムにて行われる予定です。

1. 受賞内容(NIMS発表資料より抜粋)

  1. 研究分野      永久磁石材料
  2. 研究成果の名称   ネオジム磁石の発明と実用化
  3. 研究成果の概要
    世界最強の磁石であるネオジム磁石を発明し、粉末冶金法による異方性磁石の大量生産法を開発することにより短期間での工業化に大きく貢献した。この新磁石の発明により、ハードディスクドライブなどの電子機器の小型軽量化、ハイブリッド・電気自動車の実現が可能となった。受賞者は1980年代初期に個人の発想によりNd-Fe-B(ネオジム-鉄-ほう素)系合金が磁石として有望であることを見出し、世界最強のNd-Fe-B系磁石を開発した。この磁石は、当時最強の永久磁石であったSm-Co(サマリウム-コバルト)系磁石の最高性能を超えただけでなく、自然界に豊富に存在するFeを主成分とし、希土類元素の中では資源的にも豊富なNdを用いたという点でも画期的であった。永久磁石には資源的に希少なCoが必須という当時の常識を覆し、原料資源に関する課題を一挙に払拭しただけでなく、初めて高磁化を有する正方晶化合物を発見したという点で学術的価値も大きい。発明後35年を経た現在でも世界最強磁石であり続け、電気自動車やロボットなど、応用分野はますます広がっている。
  4. 業績の学術界・産業界への波及
    佐川眞人顧問は1982年に異方性ネオジム磁石の基本特許を取得し工業化に成功したのみならず、Nd-Fe-B磁石試料を学術研究のために積極的に提供することにより、世界の研究者を巻き込んでネオジム磁石の基礎研究を推進し、ネオジム磁石の材料科学の発展にも大きく貢献した。ネオジム磁石は、ハードディスクヘッド駆動用アクチュエータに応用され、ネオジム磁石なしでは現代のデータストレージ技術の実現は不可能であった。その後、ネオジム磁石はハイブリッド車・電気自動車の駆動モータおよび発電機、風力発電、省エネエアコン、介護ロボットの駆動装置に利用され、今後その使用量はさらに拡大することが予想されており、その社会的インパクトは計り知れないほど大きい。

2.佐川眞人顧問の略歴

  1. 氏  名: 佐川 眞人(さがわ まさと)
  2. 生年月日: 1943年8月3日
  3. 出 身 地: 徳島県
  4. 学  歴:
    1956年 3月 徳島市立内町小学校卒業
    1959年 3月 尼崎市立明倫中学校(現尼崎市立中央中学校)卒業
    1962年 3月 尼崎市立尼崎高等学校卒業
    1966年 3月 神戸大学工学部電気工学卒業
    1968年 3月 神戸大学大学院修士課程(電気工学)修了
    1972年 3月 東北大学大学院博士課程修了(金属材料工学)、学位取得(工学博士)
  5. 職  歴:
    1972年 4月 富士通株式会社 入社
    1982年 5月 同社 退職
    1982年 5月 住友特殊金属株式会社(現 日立金属株式会社)入社
    1988年 2月 同社 退職
    1988年 3月 インターメタリックス株式会社 設立、同社 代表取締役 就任
    2012年 6月 同社 代表取締役 退任
    2013年 12月 NDFEB株式会社 設立、同社 代表取締役 就任(現任)
    2016年 10月 大同特殊鋼株式会社 顧問 就任(現任)
    2017年 4月 日本電産株式会社 顧問 就任(現任)
    2017年 4月 京都大学エネルギー理工学研究所 特任教授 就任(現任)
  6. 受 賞 歴:
    1984年 大阪科学賞
    1985年 科学技術庁長官賞
    1986年 米国物理学会 International Prize for New Materials
    1988年 日本金属学会功績賞
    1990年 朝日賞
    1991年 日本応用磁気学会 学会賞
    1993年 大河内記念賞
    1998年 Acta Metallurgica J. Hollomon Award
    2003年 本多記念賞
    2006年 加藤記念賞
    2012年 日本国際賞
    2016年 永守賞特別賞

以 上