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富士機械(株)から真空浸炭炉「モジュールサーモ*¹」を受注
~「高付加価値」と「垂直立ち上げ」の実績を評価~

モジュールサーモ

大同特殊鋼株式会社(社長:石黒 武)は、富士機械株式会社(社長:新井 保弘、本社:群馬県前橋市)から真空浸炭炉*2「モジュールサーモ」を受注しました。自動車用ギヤなどの強度を高める熱処理用の設備として、2018年春頃の納入を予定しています。モジュールサーモは量産型真空浸炭炉として10年以上にわたり多数の安定稼働実績を誇り、製品に高い付加価値を与えることに留まらず、作業者の負荷軽減、省エネルギー化など環境面へのメリットも創出します。

*1 モジュールサーモ 当社が2004年に販売を開始したモジュール式真空浸炭設備。
*2 真空浸炭 真空中で鋼表面に炭素を浸透させることで部品の表面に炭素濃度の高い層をつくり、耐摩耗性、耐疲労性、 硬さを向上させる熱処理。従来工法のガス浸炭と比較すると、表面酸化層が無く、爆発の潜在的リスクがほとんどなく取扱性や作業環境に優れる。

1. 背景

株式会社SUBARUの関連会社である富士機械株式会社は生産能力増強の一環として、群馬県内の各工場機能の見直し、再編を決定されました。物流コストの削減、工場機能の集約策として株式会社SUBARU大泉工場内に新工場を建設する運びとなり、同時に高い付加価値を提供する真空浸炭炉の導入を検討されていました。

そのような中で、当社のモジュールサーモが品質の安定を確保しながら、CO2排出量の大幅低減といった優れた省エネルギー効果を発揮しつつ、多種多様な処理が可能であること、将来の生産量増加に伴う設備能力増強の際、大幅な追加基礎工事を必要とせず、短納期での能力増強が可能である等の特徴を持つことに加え、多数の垂直立ち上げ・量産安定稼働実績を考慮いただき、富士機械株式会社にて当社の設備をご採用いただくこととなりました。

2. モジュールサーモの主な特徴

当社は特殊鋼製造メーカーである技術力を結集し、2006年に世界で初めて真空浸炭メカニズムを解明しました。理論ベースの処理レシピ計算ソフト「浸炭くん」も好評いただき、2007年にモジュールサーモ初号機を受注後、自動車および自動車部品メーカーを中心に国内3社、海外2社まで受注を伸ばしています。「浸炭くん」を駆使した高精度な熱処理により、自動車部品に留まらず多様な製品への適用が可能であり、当社滝春テクノセンター(名古屋市南区)に設置してある量産規模の実証炉で事前に条件出しを行うことで、生産設備の垂直立ち上げに貢献します。設備状態監視システムの確立、レシピ登録を始めとする操作性の簡略化、ヒューマンエラーの防止など、作業者の習熟期間短縮や負荷軽減を実現し、設備納入後から量産体制へ滞りなく移行できます。

3. 今後の展開

通常の真空浸炭はもちろん、浸炭窒化や高濃度浸炭などの機能を付加したモジュールサーモや、更に小ロット多品種処理を実現した、スリムバッチ真空浸炭炉「シンクロサーモ」の拡販も目指します。また、浸炭設備のみではなく、当社鋼材部門、技術開発研究所との連携による材料やプロセス開発を含めた大同特殊鋼のトータルソリューションを提案し、新たなるものづくりの創出に寄与していきます。

参考資料 富士機械株式会社の概要

所在地 群馬県前橋市
代表者の役職・氏名 代表取締役社長  新井 保弘
事業内容 自動車部品・産業機械・農業用トランスミッションの製造、販売
資本金 4億8,000万円
設立年月日 1950年 7月18日
大株主および持株比率 株式会社SUBARU 100%

以 上