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アジア初 米 プラット・アンド・ホイットニー社向け
民間航空機ジェットエンジン(PW1000Gシリーズ)用
ニッケル合金製鍛鋼品の製造認定取得

大同特殊鋼株式会社(社長:石黒 武 以下、大同特殊鋼)はこの度、世界の主要ジェットエンジンメーカーである米 Pratt & Whitney社(President:Bob Leduc 以下、P&W社)から、民間航空機ジェットエンジン(PW1000Gシリーズ)用のニッケル合金※1製鍛鋼品※2(シャフト)に対して製造認定を受け、当社渋川工場(群馬県渋川市)において量産製造を開始しました。

製造認定を受けた対象は、以下の2点です。

1. 素材として、民間航空機ジェットエンジン用高速回転体※3に使用されるニッケル合金
2. 製品として、民間航空機ジェットエンジン(PW1000Gシリーズ)用鍛鋼品(シャフト)

 

該当のニッケル合金仕様は、ジェットエンジンのシャフト、ディスクなど、このカテゴリーの中で最上級の管理が求められる部品に適用できる仕様となっています。また、当鍛鋼品(シャフト)が使用されるジェットエンジンPW1000Gシリーズは、エアバス社A320neo、三菱航空機(株)MRJ、ボンバルディア社Cシリーズ、エンブラエル社E-Jetシリーズ、その他の航空機に搭載されます。

大同特殊鋼は今回P&W社から、アジアの超合金製造メーカーとして初めて、高速回転体用ニッケル合金素材について製造認定を受けました。また、P&W社が素材の製造認定において、新規メーカーを認定するのは50年超ぶりとなります。

大同特殊鋼は、これらの製造認定を住友商事株式会社(本社:東京都中央区、社長:中村邦晴)の協力を得て取得しました。その後、当社渋川工場で2015年から試験製造しておりましたが、このたび量産製造を開始しました。

大同特殊鋼は、マルエージング鋼※4や構造用鋼※5などを素材とする、民間航空機ジェットエンジン用鍛鋼品の供給において、およそ30年の歴史と、世界シェアのおよそ30-40%(当社推計)を有しています。また、2016年に世界最大級の25トン真空誘導炉(VIM)※6を導入し、ニッケル合金の製造能力拡大を進めており、今回量産を開始したエンジンシャフトについても、25トンVIMでの製造認定取得に向けた試験製造を進めています。

※1 ニッケル合金 ニッケルを主成分とする合金で、優れた耐熱性、耐食性を有する。石油、化学、ジェットエンジンや発電用ガスタービンなどの分野で主に使用される。
※2 鍛鋼品 鍛造技術によって作られる鋼の中で、定められた基準の鍛造比を有し、強度や靱性をさらに高めた鋼製品のこと。
※3 高速回転体 ジェットエンジンや発電用ガスタービンなどのタービン内で高速回転をするシャフト、ディスク等を指す。
※4 マルエージング鋼 強度、靱性に優れた、主に航空・宇宙分野の構造材料として開発された特殊鋼。
※5 構造用鋼 機械、車両、建築物、橋梁、船舶など広く用いられる、機能的でかつ強度を必要とする部品に使用する特殊鋼。
※6 真空誘導炉 誘導加熱を利用した電気炉で、ニッケル合金をはじめとする高純度金属や高級合金の溶製に用いられる製鋼設備。当該設備の25トンとは1回の溶解量を指し、設備の大きさの規模を表す。

以 上