大同特殊鋼株式会社(社長:嶋尾 正)はこのたび、2017年度(平成30年3月期)までの3年間を実行期間とする中期経営計画を策定いたしました。商品力・技術力・提案力を磨き、お客様と共に材料技術と加工技術を融合させ、特殊鋼を活用したトータルソリューションを提供することで世界に貢献してまいります。
記
1. 2017中期経営計画の概要
前中期計画(2014中期経営計画)期間においては、得意商品拡大によるアジア成長の取込み、製造コストの抜本的改善、海外市場取込みも見据えた複眼的アライアンスの推進等を進めてまいりました。しかしながら、想定以上の現地調達化進展やエネルギーコストの高騰など厳しい経営環境の中で、更なる経営体制の強化、事業戦略の加速が必要と認識しております。
今中期計画(2017中期経営計画)期間の経営環境につきましては、中国の経済成長の鈍化は懸念されるものの、新興国市場の拡大は継続すると見込まれます。そのため、主要需要先である自動車や、資源・エネルギー関連の需要は中長期的に拡大すると想定されます。お客様の海外生産シフト、現地調達化等、需要減少要因もありますが、全体として特殊鋼需要は緩やかな増加を続けるものと見込んでいます。
一方で、特殊鋼への機能要求は高まっていくものと考えています。例えば、地球温暖化対策として二酸化炭素排出規制が強化される中、燃焼機関に使用される特殊鋼は究極の燃焼効率を目指して、耐熱性や薄肉化などの機能面でこれまでの限界を超えた性能が要求されています。当社グループは、お客様とより一体となって、これらの難題を解決していきたいと考えています。
大同特殊鋼は2016年に創業100周年を迎えます。次の100年も、特殊鋼を通じて世界の発展に貢献するため、以下の経営基本方針を実践してまいります。
<経営基本方針>
経営基本方針を実践するため、次の重点施策を実行してまいります。
・お客様との共創
・成長領域への注力
・QCD競争力の強化
2. 重点施策
(1)お客様との共創
世の中が必要とするイノベーションを、お客様と一体となって産み出してまいります。お客様とより密接なコミュニケーションを取れる営業体制へ組織改編を行い、情報収集能力を高め、グループ内の商品群、技術力を余すところなく提供できる体制へ変革し、当社グループの商品ラインナップ、素材技術とお客様の加工技術を高度に融合させてまいります。このお客様との共創を通じて、これまでの限界を超えるためのトータルソリューションを世界に提供してまいります。
(2)成長領域への注力
今後大きく成長が望まれる分野において、市場の発展を支えることで世界に貢献してまいります。これまでに培ってきた幅広い特殊鋼先端技術力をさらに磨き上げ、車載分野でのターボ部材・磁石製品・センサ関連部材(高機能ステンレス、高機能粉末等)、オイル&ガス向けの高合金製品など、世界の成長を支える新しい特殊鋼を産み続けてまいります。
(3)QCD競争力の強化
特殊鋼で世界に貢献するための土台として、世界で戦えるQCD(クオリティ、コスト、デリバリー)競争力をさらに強化してまいります。例えば、溶解プロセスの最適化など、製造プロセスの更なる高度化を追求し、クオリティ、コスト、デリバリーすべての点でより競争力を高めてまいります。また、型鍛造品製造拠点としてタイ、中長期的にオイル&ガスの成長が見込まれる北米・東南アジアに新拠点(ヒューストン等)を設けるなど、グローバルにサプライチェーンを強化し、必要とされる場所で商品を提供できる体制を整えてまいります。
3. 経営指標
2014年度実績 | 2017年度中期経営計画 | |
---|---|---|
売上高 | 4,836億円 | 5,600億円 |
経常利益 | 217億円 | 400億円 |
当期純利益 | 109億円 | 250億円 |
ROS | 4.5% | 7% |
ROA | 3.8% | 6% |
配当政策としての配当性向 | 15~20% | 20~25% |
以 上