大同特殊鋼株式会社(社長:嶋尾 正)は、約200億円を投じ、知多工場(愛知県東海市)の一次工程への戦略投資として、製鋼プロセスの抜本的な合理化を実施します。
自動車用高機能構造用鋼、特殊ステンレス鋼、高合金などの特徴ある製品は、継続的な成長が見込まれる東アジア市場に対して供給可能なメーカーが限られるため、今後とも日本でのモノづくりが競争力を保つことができる製品と位置付け、こうした「代替生産が困難なオンリー1/ナンバー1製品」の生産能力向上とコスト改革の両立を目指すための第一弾として、知多工場に大型投資を実施するものです。
知多工場(1962年操業開始)は当社の粗鋼の90%を生産する主力工場であり、粗鋼生産量150万トン/年の規模は特殊鋼一貫製鋼所として世界でも最大級です。しかし、操業開始当時は自動車向け構造用鋼を中心に生産してきましたが、ステンレス鋼・工具鋼・高合金まで生産できる工場を目指し、製鋼設備の増設を繰り返してきた結果、設備レイアウトが複雑となり、生産運営上のロスが生じています。本大型投資により、知多工場は名実ともに生産能力/競争力/環境対応を具備した世界最高水準の特殊鋼製鋼所にリフレッシュされます。
なお、今回の知多工場への戦略投資を皮切りに、生産販売体制の更なる強化による事業基盤の安定・拡大に向けた施策を検討し順次進めていきます。
1.コンセプト
今回の合理化では製鋼の溶鋼搬送ラインの物流を見直し、連続鋳造機の能力をフルに発揮させることで戦略商品群の生産能力を向上させるとともに、品質の更なる向上を図ります。
将来の電力単価の上昇に備え、炉を大型化(150トン化)するとともに、革新的技術の開発・導入により、エネルギーの高効率化と溶解・精錬機能の向上を目指しています。また、電力以外の代替エネルギー(天然ガス、炭材)を積極的に利用することによる省電力溶解も可能な『エネルギー多様化対応型の電気炉』とし、将来の電力事情、エネルギー事情に柔軟に対応していく計画です。
2.設備投資の概要
製鋼プロセス整流化および150トン大型電気炉の導入、およびそれに伴う第1連続鋳造ライン150トン対応化
約200億円
2013年秋 予定
以 上