大同特殊鋼株式会社(社長:嶋尾 正)は電子機器業界の環境対策ニーズに応えるべく、ハロゲンフリーで難燃性に優れた高磁気特性ノイズ抑制シート「ハイパーシールド HS14」を開発し、7月から販売を開始しました。
当社は、今回新たに株式会社巴川製紙所(社長:井上 善雄)と協力、同社の高精度塗工シート化技術とタイアップし、シート内に高特性軟磁性粉末を高密度で充填、一方向に配列する技術を高めることで、ハロゲンフリータイプ当社従来品「HS09」対比1.5倍の透磁率140を実現しました。
高磁気特性化により、シートの厚さが薄くても高いノイズ抑制効果が得られるため、基板上の狭い実装空間でも十分なノイズ対策が可能となります。この結果、携帯電話、スマートフォン、デジタルカメラ等の電子機器へのハイパーシールドの適用が見込まれています。
1.背景
携帯電話、デジタルカメラなどの電子機器はノイズ問題が発生しやすくなっています。小型化による実装部品間の短距離化は相互にノイズの影響を受けやすくし、また、情報伝送の高速・大容量化に伴い、高周波成分を多く含む電気信号が不要なノイズとして発生しやすくなるためです。
ノイズ対策には難燃性を高めるハロゲンを含む合成ゴムと軟磁性粉末を混合したノイズ抑制シートが広く用いられています。ところが、ハロゲンは燃焼時に環境負荷物質のダイオキシンを発生させるため、ハロゲンフリー商品が必要とされています。しかし、ハロゲンフリーで難燃性を確保するには、難燃剤を多く配合する必要があるため、透磁率の向上が困難であり、ハロゲンフリーと高難燃性を兼備したノイズ抑制シートの透磁率は100~120が限界とされていました。
2.特長
ハロゲンフリー | 環境負荷物質のハロゲンを含みません |
難燃性 | 難燃規格 UL94-V0 申請中 |
高透磁率 | 透磁率140(低周波帯から高周波帯まで高いノイズ抑制効果を発揮) |
3.製品仕様
適用周波数(MHz) | 10~3000 |
厚さ(mm) | 0.05, 0.1, 0.2, 0.3, 0.5 |
製品サイズ(mm) | 220×315 |
最高使用温度(℃) | 105 |
面積抵抗(Ω) | 106 |
透磁率 µ'(1MHz) | 140 |
形状 | シートタイプ |
4.用途
携帯電話、スマートフォン、デジタルカメラ、パソコン等の電子機器
5.売上目標
2012年度 15億円(ハイパーシールド全体)
6.その他
7月20~22日にかけて東京ビッグサイトで開催される第24回EMC・ノイズ対策技術展に本製品を出展します。
以 上