大同特殊鋼株式会社(社長:小澤 正俊)は、原材料、諸資材価格の高騰を受け、2008年10月納入分から工具鋼製品の価格改定を実施します。
工具鋼製品の主原料である鉄スクラップ価格は、2008年の年初来から、歯止めのかからない急激な上昇を続けています。これは、新興国を中心とした世界的な鉄鋼生産の増大および国内鉄鋼メーカーの鉄スクラップ購入拡大に端を発したものです。
現在の鉄スクラップ価格は、2006年対比で2.5倍、2007年対比で1.7倍にまで高騰し、過去に例のない異常な高騰が続いています。ただ足元は、韓国向け輸出がストップしたことや夏季電力調整による電炉の減産期も重なり(季節要因)、一時的な下げ基調にあるものの世界的に旺盛な鉄鋼需要に変わりはなく、今後も予断を許さず更に高い水準を想定せざるを得ない状況となっています。
また、鉄スクラップ価格に加えて、主原料のひとつであるクロム価格も、南アフリカの電力不足や設備事故などの影響で、2006年対比で2.3倍、2007年対比でも1.8倍にまで急騰しています。
この緊急事態の環境下において、当社は、設備合理化、生産性向上などコスト改善に努めていますが、歯止めのかからない原料の急激な高騰を吸収できないため、2008年4月、7月納入分に引き続き、10月納入分から今年3回目の工具鋼製品の価格改定を実施します。
今回の価格改定は、新製品開発、品質向上および安定的な製品の供給を図るために、再生産可能な価格レベルの実現を目的としたものです。なお、輸出価格についても国内向け同様に価格改定を実施します。
また、今後の鉄スクラップ市況ならびにその他諸資材価格の動向次第では、さらなる価格の見直しをお願いせざるを得ないものと考えています。
価格改定の内容
- 適 用 範 囲 需要家および店売り向けすべての工具鋼製品(国内向け・輸出ともに)
- 実 施 時 期 2008年10月納入分から
- 工具鋼全製品につき、鉄スクラップ、クロム価格高騰分の価格改定
価格改定幅 5~10%程度
以 上