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高熱伝導率 ダイカスト金型用鋼 DHA-Thermo を発売
~ダイカスト鋳造のハイサイクル化と金型寿命向上に貢献~

大同特殊鋼株式会社(社長:小澤 正俊)は、ダイカスト鋳造のハイサイクル化や商品の鋳造組織微細化および金型寿命向上に適した『高熱伝導率 ダイカスト金型用鋼』 DHA-Thermo を開発し、2008年7月から発売します。 DHA-Thermo は熱の逃げが早く、冷え易さに優れた国内初の高硬度ダイカスト金型用鋼です。熱伝導率は、広く使用されている「SKD61(JIS鋼)」の約2倍と高く、金型を早く冷やすことができ、鋳造時間を10%短縮することが可能です。

1.背景

自動車部品の製造に多用されるダイカスト鋳造法は、溶かした金属(主にアルミ系)を金型によって短時間のうちに固める製造方法で、従来から鋳造生産性の向上(ハイサイクル化)、商品の品質向上(鋳造組織の微細化)、コスト低減(金型寿命の向上)は重要な課題です。とりわけ「ハイサイクル化」については、現状限界に近づいており、熱伝導率が高く、熱引き性能に優れたダイカスト金型用鋼が求められています。

2.特長

熱伝導率(熱引き性能)の高いダイカスト金型用鋼 中でも小物の金型に最適(最大適用サイズ:厚さ 150㎜以下、重量 30㎏以下)
特性 SKD61との対比
熱伝導率 優れている(約2倍)
最高硬さ 同   等(50HRC)
高温硬度 同   等
耐熱性 優れている(約5倍) 600℃環境下

3.適用例と効果

金型温度     約100℃低下 サイクルタイム 10%短縮 鋳造組織微細化          (当社調査 SKD61対比)
適用例 効果 ポイント
スプールコア プランジャーチップ 製品部の入子 鋳抜きピン ハイサイクル化 急速凝固
鋳造組織微細化
金型寿命向上 焼付き軽減
亀裂の軽減

4.売上目標

2009年度  2億円(製品形状:丸棒・平角)

5.製品名

Daido’s Hot Work Die Steel Ace-Thermo (大同熱間工具鋼の切り札-冷却能重視タイプ) 
 
呼び名:ディー エッチ エー – サーモ(通称:ディー – サーモ) 

以 上

参考資料