大同特殊鋼株式会社(社長:小澤 正俊)は、原材料、諸資材価格の高騰を受け、2008年7月納入分から工具鋼製品の価格改定を実施します。
工具鋼製品の主原料の鉄スクラップ価格は、昨年来から上昇しており、さらに2008年に入ってから急激な上昇を続けています。現在の鉄スクラップ価格は、2008年の年初と比較し、約5割も高騰するという過去に例のない状況になっています。
鉄スクラップ価格の上昇は、BRICsをはじめとした新興国の旺盛な鉄鋼生産による原料需要の増大に端を発したものです。今後の国内鉄鋼メーカー各社の動向ならびに海外の鉄鋼生産状況を考慮すると、鉄スクラップ需給はますます厳しい環境になることが予想され、さらに鉄スクラップ価格が高騰すると考えられます。
また、鉄スクラップ価格の高騰に加え、主原料のひとつであるクロム価格の急騰は、当社の収益を著しく悪化させる要因となっています。
当社は、設備合理化、生産性向上などコスト改善に努めてきましたが、鉄スクラップなどの原料、エネルギー関連、諸資材価格の急激な高騰を吸収できないため、2008年4月納入分に引き続き、2008年7月納入分から、もう一段の工具鋼製品の価格改定を実施します。
今回の価格改定は、新製品開発、品質向上および安定的な製品の供給を図るために、再生産可能な価格レベルの実現を目的としたものです。なお、輸出価格についても国内向け同様に価格改定を実施します。
また、今後の鉄スクラップ市況ならびに、その他諸資材価格の状況次第では、さらなる価格改定を考えています。
価格改定の内容
- 適 用 範 囲 需要家および店売り向けすべての工具鋼製品(国内向け・輸出ともに)
- 実 施 時 期 2008年7月納入分から
- 工具鋼全製品につき、鉄スクラップ、エネルギー関連、諸資材価格高騰分の価格改定
価格改定幅 5~10%程度
鋼種区分:JIS鋼種名(当社ブランド鋼種名) | 価格改訂幅 | |
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冷間金型用鋼 | SKD11系(DC11、DC53)、SKS3系(GOA)他 | 5~10% |
熱間金型用鋼 | SKD61(DHA、DHA1)、SKT4(GFA)他 | |
プラスチック金型用鋼 | SCM系(PX5)、SUS系(STARシリーズ)、その他(NAK) |
4.クロム含有鋼種につき、クロム価格高騰分の価格改定
価格改定幅 10~20円/kg
以 上