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06年~08年 中期経営計画について

大同特殊鋼株式会社(社長:小澤 正俊)はこのたび2006年度から2008年度を実行期間とする連結ベースでの「中期経営計画」を策定いたしました。

自動車産業をはじめとする主要ユーザー産業の需要は、当期間中、堅調に推移するものと思われますが、一方では、原材料のインフレ基調が継続するものと想定され、引き続き厳しい環境にあります。そこで「中期経営計画」の諸施策を実行することにより、安定的に高収益をあげ得る体制を築くとともに、資本市場からも評価される高い経営効率を目指し、得られた成果を株主の皆様に還元して参ります。また、当社は環境に配慮しつつ、社会の持続可能な発展に向けて貢献し続けていきます。

1.経営基本方針

-「量の質化」と「質の拡大」-

安定収益基盤の拡充と成長事業・成長商品の深耕

当社グループのコアを成す特殊鋼事業における収益基盤は、汎用品からの撤退と得意(特異)製品への集中により、05中期経営計画期間中に大きな改善を見ました。08中期経営計画では、成長を続ける自動車向け材料の拡充を進め、質・量の追求による成長を目指すとともに電子・航空機・発電・プラント向け等の高機能・差別化商品である『No.1商品』の拡大を図ります。

2.経営指標

05年度見通し 08中期経営計画
売上高 4,800億円 5,300億円
営業利益 370億円 530億円
経常利益 380億円 540億円
ROA 8.2% 10%超
総資産残高 4,620億円 5,150億円
有利子負債残高
(D/Eレシオ)
1,530億円
(0.94)
1,250億円
(0.53)

3.重点施策

(1)特殊鋼事業 中期主要施策

ア.
旺盛な自動車関連需要に対応するため、徹底したコスト削減と生産性の向上を図り、現有生産設備内で実行しうる最大生産能力を確保して参ります。
イ.
原材料環境変化への対応、最大生産を実施するための生産能力バランスの確保及びユーザーのグローバル化に対応して、複眼的なアライアンスを推進し、鉄源の多様化と生産能力向上を図ります。
ウ.
チタン、高合金等の難加工材の生産技術、生産体制を革新し、リードタイム短縮等により、高度化するユーザーニーズに対応いたします。

(2)戦略事業、「No.1商品」への積極的な経営資源投入

ア.
成長性のある分野を伸ばすために戦略事業、「No.1商品」への投資を積極的に行います。具体的には、航空機、船舶、自動車向等の鍛造製品、チタン、粉末製品等の高機能材料、磁材、ターボチャージャー関連部品等です。
イ.
今後の成長性が見込まれる商品、あるいはオンリーワン技術に裏打ちされた商品である「No.1商品」については、グループ総合力を強化し、08年度売上高2,000億円を目標にします。

(3)研究開発、事業化の加速

ア.
攻めのR&Dに向けて研究開発費を前中期経営計画対比50%アップします。研究開発体制を刷新し、グループ内の共同研究開発体制を強化し、組織横断的な技術開発・商品化を加速します。
イ.
研究開発テーマとしては、エレクトロニクス関連部材、環境・省エネ技術、自動車関連部材を重点とします。シーズ開発については、10年先を見据えた「ネクスト10研究室」を核として、長期的視野に立った検討を行います。

(4)連結経営強化によるグループ企業価値の向上

ア.
磁材、精鋳などの戦略製品については、グループ一体での研究開発を推進し、戦略子会社の育成を進めます。その一方で、低採算事業については、さらに、リストラクチャリングあるいは撤退を進めていきます。
イ.
垂直分業の役割を果たす関連会社については、一体運営体制を強化し、グループトータルでのコストダウンを推進します。また、生産性大幅アップを目指した活動と省人投資を行います。

(5)マネージメント体制の基盤強化

ア.
04年より実施している「モノづくり改革、ヒトづくり革新」活動の徹底により更なる生産性向上を図ります。また、部門、連結子会社の枠を超えた横断的業務革新を推進し、内部統制の強化を図ります。
イ.
あらゆるステークホルダーに対して企業の社会的責任(CSR)を果たすことのできる体制を構築していきます。天災に対するリスク管理強化、企業倫理の徹底、地球環境対応を積極的に推進し、市場と社会により一層信頼されるよう努めて参ります。

以 上

参考資料