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極小径で世界最高磁気特性の
ネオジム系ラジアル異方性リング磁石のサンプル出荷開始

大同特殊鋼株式会社(社長:小澤 正俊)の100%子会社である株式会社ダイドー電子(社長:野田 孝昭、本社:岐阜県中津川市)は、主力製品の一つである
Nd-Fe-B(ネオジム-鉄-ボロン)ラジアル異方性リング磁石「NEOQUENCH-DR」において、今まで製造が困難であった極小径(外径Φ10mm以下)で、世界最高磁気特性(最大エネルギー積320kJ/m³(40MGOe))のリング磁石製造技術開発に成功し、10月からモータメーカー、電子機器メーカーにサンプル出荷を開始した。

(株)ダイドー電子は1991年から独自の熱間押出し加工法による「NEOQUENCH-DR」を日本と中国にて製造、販売している。

「NEOQUENCH-DR」は最大エネルギー積240~360kJ/m³(30~45MGOe)と非常に高い磁気特性を誇り、今回の極小径長尺高磁気特性磁石の投入で製品ラインナップを充実させ、超小型ハードディスクドライブ用モータ、各種ロボット等への需要拡大を見込む。

(株)ダイドー電子は「NEOQUENCH-DR」の08年度売上目標を04年度対比4倍の40億円に設定している。

1.背景

「NEOQUENCH-DR」は半導体製造装置やロボット等のサーボモータ用、電動パワーステアリング用などに広く採用されているが、近年拡大する小型化・軽量化・省力化のニーズに対応するため、より小型の高磁気特性リング磁石の製造技術開発が求められていた。従来の製法では小径長尺で高い磁気特性を得ることは困難であった。

大同特殊鋼(株)技術開発研究所との共同研究により熱間押出し加工法の原料から製造工程までの細部を見直し、極小径・高磁気特性を実現する独自の磁石製造技術を確立した。これにより、外径がΦ10~6.5mmの極小径品で外径の5倍の長尺品製造を可能とし、320kJ/m³(40MGOe)の高磁気特性を実現した。

2.特長

(1) 極小径品、薄肉、長尺リング  外径Φ10~6.5mm (当社従来品:>Φ10mm)細長比(長さ/外径)=5 (当社従来品:細長比=1.5)

(2) 高磁気特性 320kJ/m³(40MGOe) (当社従来品:Φ11mmで240kJ/m³(30MGOe)

(3) 優れた耐熱性・耐食性
  <参考:極小径ネオジム系リング磁石の性能比較>

磁気特性 多極化 薄肉化 長尺化 モータ生産性
NEOQUENCH-DR
焼結ラジアル異方性 ×
焼結極異方性 × ×

3.用途

超小型ハードディスクドライブ用モータ、超小型サーボモータ

デジタルカメラ用他 各種超小型アクチュエーター、小型磁気センサ等

4.今後の展開

サンプル出荷:05年10月~    量産化:順次対応

5.Nd-Fe-Bラジアル異方性リング磁石「NEOQUENCH-DR」の売上目標 (ダイドー電子グループ)

08年度 40億円(04年度売上実績 約10億円)

以 上

参考資料