大同特殊鋼株式会社(社長:小澤 正俊)の連結子会社の大同原料サービス株式会社(社長:丸野 義数、本社:名古屋市南区)は、大同特殊鋼(株)知多工場(工場長:中坪 修一、愛知県東海市)内に平成16年11月から「汚泥・ばいじんに含まれるニッケル等のリサイクル施設」の建設を進めてきたが、平成17年10月7日から操業を開始し、11日に竣工式を実施した。なお、当施設は平成16年度「あいちエコタウンプラン」ハード補助事業として、経済産業省および愛知県の補助金を受け、建設された。
当施設では、特殊鋼製造工程で発生するスラッジ(汚泥)、ダスト(ばいじん)からニッケル等の含有率を高めた合金を回収する。従来、スラッジ、ダストの大部分は産業廃棄物として埋立処分されていたが、スラッジを溶融し、さらに溶融した酸化物を還元する技術を導入することでニッケル等の含有率を高めた合金の回収を実現した。回収された合金は特殊鋼原料に、また、溶融したスラッジのうち合金を除く成分は溶融スラグとして高品質路盤材の原料に再利用される。なお、ニッケル含有スラッジリサイクルの事業化は日本で初めてとなる。 当施設稼動により、愛知県内鉄鋼各社のスラッジ、ダスト最終処分量のうち、年間4万3千トン(平成13年度最終処分量:82万トン)が削減される。また、スラッジ、ダスト中のニッケル回収率を80%以上に高めることで年間160トンのニッケル回収を見込む。今後は、廃棄物リサイクルを増進させることで、地域における循環型社会の形成に貢献していく。
名称 | DSR(Daido Special Recycling Process for Direct and Smelting Reduction) |
設置場所 | 愛知県東海市元浜町39番地(大同特殊鋼(株)知多工場内) |
敷地面積 | 2,310m² |
建屋面積 | 624m² |
設備構成 | 参考資料「プロセスの概要」(PDF:550KB)参照 |
処理対象 | |
特殊鋼製造工程で発生する廃棄物 | |
原料の種類 処理計画量 (トン/年) | |
有価金属含有スラッジ 17,000 | |
有価金属含有ダスト 3,000 | |
一般スラッジ(*) 23,000 | |
合計 43,000 | |
(*)スラッジは水分を50%含有すると想定 | |
設備投資額 | 総事業費 15億6,000万円 |
補助対象経費 13億3,000万円 | |
補助金額 3億4,392万円 | |
完工 | 平成17年 9月26日 |
操業開始 | 平成17年10月 7日 |
売上計画 | 約10億円(平成18年度) |
以 上
参考資料
あいちエコタウンについて/用語解説/大同原料サービスの概要
(PDF:9KB)
プロセスの概要
(PDF:550KB)